2015年11月3日

メディア掲載

鳥取市報2012年6月 シリーズ元気です Vol.123

合唱を通して生まれる心のつながりを大切に 鳥取市民合唱団
https://www.city.tottori.lg.jp/www/contents/1338441261673/html/common/4fc721d4009.htm

歴史ある市民合唱団

鳥取市民合唱団は、昭和37年に結成され、今年で50周年を迎えた非常に歴史の深いアマチュア混声合唱団です。演奏会の開催やイベントステージへの出演、合唱コンクールへの出場など継続的に活動。和気あいあいとした雰囲気の中で、みなさんが気持ちよく声を出す姿が印象的です。
平井さんは、合唱団の長い歴史の中で、なんと25年近くも団長を務めています。「自分が合唱を始め、何十年も続けるとは思いもしませんでした」と、平井さんは当時の気持ちを振り返ります。また、練習するうちに高い声で歌えるようになり、「継続は力なり」と実感しています。
大石さんは、昨年の1月に鳥取市に転入。偶然訪れていたイベントで聴いた、市民合唱団の歌声に心をわしづかみにされ「この人たちの隣で歌いたい」と、入団を即決しました。団員として歌うだけでなく、合唱団のマネージャーとして、定期演奏会の広報や団員同士の意思疎通のために尽力しています。「練習ができる回数は違っても、練習にかける気持ちは一緒に」と大石さん。ニュースレターを配布し、パートリーダーや職場が近い団員の協力を得ながら、練習の進捗状況や最近話題になっていることなどを欠席者に伝え、練習に入りやすい雰囲気づくりを心がけています。「十分にできているとは思わないのですが」と控え目に語りながらも、「みんなで一緒に音楽やステージ、お客様との接点をどう作るのかを考えることは挑戦的で面白い」と、充実した時間を過ごしています。
前回の定期演奏会(平成22年10月)

心と心が響き合う瞬間

一人で合唱はできません。また、一人ひとりが正しく歌っていても合唱にはなりません。平井さんは「みんなで一緒に練習を重ね、曲をどう歌い上げるのか、気持ちを一つにしていくことが最も大切」と語ります。しかし、団員のほとんどが家庭や仕事を持っているため、それがどれだけ難しいことかも痛いほど分かっています。
ステージ上では、自分たちの奏でるハーモニーが客席の反応を吸い込み、ホール全体の響きとなってふわっと返ってくる瞬間があります。「あっ、今上手くいったという感覚があり、こんな素晴らしい声で自分たちは歌えるじゃないかと実感します」と平井さん。練習の苦労を経験するからこそ味わえる最高のひとときです。ステージを後にしても残る高揚感。団員のみなさんがこの思いを共有していると大石さんも確信しています。

鳥取の文化の礎として

7月8日(日)、午後2時から、とりぎん文化会館梨花ホールで「創立50周年記念定期演奏会」が開催されます。
この演奏会で披露される「光と風と波と」は、市民合唱団にとって非常に特別な歌。鳥取砂丘や日本海、しゃんしゃん祭など、鳥取の情景が鮮明に描かれた曲集です。その難易度から過去に3度しか歌われたことがありません。大石さんは「この曲は鳥取の宝物が凝縮された曲。鳥取の風景を追体験しながら、当たり前だと思っている鳥取のよさを見つめて欲しい」と、歌に思いを込めながら、今日も練習に励んでいます。
「市民合唱団の活動は小さなものですが、鳥取の文化として心のつながりを大切に歌いたい」。慎ましく語る平井さんからは、定期演奏会で多くの人と歌に込めた心を共有させたいという気持ちが伝わってきました。
「いろんな人と心を一つにして歌える場が、自分の生活の中に幸せを作っています」と、平井さんは市民合唱団での活動が人生においてかけがえのない財産になっていると確信しています。
「鳥取を離れても、鳥取の歌大使としてこの曲を伝えて行きたい」。大石さんも、鳥取で宝物を見つけています。
合唱を通して心と心のつながりを育みながら、市民合唱団は鳥取の文化その歴史をつなげていきます。